PRプランナー 妹尾浩二の日記

日々の活動記録

「おいしい」「安心安全」は危険な言葉

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香川県内の農業者の方々の会でPRについて講演した日のお話です。
自分たちの作った農作物をJAを介さずに直売したり、オリジナルの加工品を作って六次産業化を目指したりと、積極的に挑戦されている方々の集まりは、非常に活気にあふれていました。
その席で、何人かの方に質問をしてみました。

私「あなたの作られている作物のPRポイントはなんですか?」
すると、帰ってきた答えは

Aさん「うちの○○は、新鮮です」
Bさん「うちの△△は、とにかくおいしいです」
Cさん「安心安全にこだわって作っています」
Dさん「食べてもらえればわかります」

「新鮮」「おいしい」「安心安全」「食べればわかる」・・・残念ながら少しも、心に響いてきません。
考えてもみてください。今どき、日本国内産で、店頭で売られていて「新鮮でない」「おいしくない」「食べると危険」な野菜や果物ってありますか?あったらニュースになるほどですね。
ということは、日本中どこの畑で採れたものでも同じことが言えるわけで、「おいしい」「新鮮」「安心安全」などという抽象的な言葉は、当たり前すぎて何の差別化ポイントにもならないんです。
テレビの食レポートでは、できるだけコメントに「おいしい」を使わないことになっています。でも下手なレポーターは「おいしい」を連発してしまう。

「おいしい」は、それを使ったとたんにオリジナルな思考回路を停止させてしまう危ない言葉なのです。
「食べればわかる」ものは、食べてもらうまでわからないんです。見た目の美しさや五味(甘み、渋み、辛味、酸味、塩味)や色彩、歯ざわり、舌触り、のど越し、香り、風味、栄養価、作った人の技術や愛情、ストーリーなどについて、思考をフル回転させて言葉をひねり出していかなければ、食べ物としての付加価値は伝わらない。一度も食べてもらえないんです。
「おいしい」は自慢するものではなくて「必要条件」。「新鮮」「安心安全」は、胸を張って言うほどのことではなくて「最低条件」です。
もっと際立った特徴を具体的に表現しなくてはブランド化できません。

たとえば「新鮮さ」をアピールしたいなら、「朝4時から収穫して6時には店頭に並べ、午前中に売れなかったものは引上げます」と言えば、際立った新鮮さが想起できるはず。
「おいしさ」に自信があるなら「いちごより甘い、糖度15度」など、客観的においしさの指標を示したり、「○○コンテストで金賞を受賞」という実績なんかがあれば、それだけでおいしいと認められる。
「安心安全」なら、「親の代から40年間、農薬や化学肥料不使用の畑で作りました」と言って初めて、並ではない安心さ、安全さがイメージできる。
食べ物を扱う方々には「おいしい」「安心安全」「新鮮」を封印して、自分だけのオリジナルな付加価値を表現する言葉を考えていただきたいですね。

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Written by 妹尾浩二

9月 25th, 2018 at 10:50 pm