PRプランナー 妹尾浩二の日記

日々の活動記録

Archive for the ‘中小企業のためのPRのヒント’ Category

放送作家とPR

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「AKB48」、「海賊と呼ばれた男」、「くまモン」。これらの共通点はなんでしょう?
「各分野で大人気」・・・それもありますが、おしい!

それぞれの「生みの親」は秋元康さん、百田尚樹さん、小山薫堂さん。この方々はみんな、出身が放送作家(構成作家)であるということです。

秋元康さんは「オールナイトフジ」「夕やけニャンニャン」の放送作家からタレントプロデュースや作詞家へ、百田さんは「探偵ナイトスクープ」から作家へ、小山さんは「料理の鉄人」から地域おこしの仕掛け人へと、大ヒットの情報バラエティ番組の企画・構成をしてこられた方々が、ほかの分野に進出して才能を発揮されているわけですね。

なぜ、放送作家の方々がこうやって各界で話題を集め活躍されるのか。それは、放送作家の方々が、「何をどうやればメディアを通じて社会からウケるか」を知り尽くしているからだと思います。

私も含めて、世の中には「企画」を職業にしている人はたくさんいますが、放送作家ほど毎日シビアにウケを狙ってアイデアを出し続けている人たちはいないのではないでしょうか?

放送作家は番組の企画会議で、一つのキーワードに対して10個くらいのアイデアはポンポンと出てこないといけないとか、1日にギャグを100個考えるのが業界の掟だとか言われています。

こうして若いうちから企画脳を鍛え上げられ、庶民の感情のツボを知り尽くした人たち、もちろん、作家なのでアイデアを企画書や文章にすることもお手のものです。

メディアにコネも持っているから、露出の仕方もわかっている。当人そのものが強力なメディアとなってさらに話題を広げていくこともできる。

そんな人たちが、企業や自治体のPRに力を貸してくれると、当事者には思いもよらぬところに火がついてワッと燃え広がる(決して炎上ではない)可能性が高まるに違いありません。
身近に、有能でフットワークの軽い放送作家さんがいたらツバを付けておきたいところです。

Written by 妹尾浩二

10月 16th, 2018 at 10:37 pm

パブリシティの目的は?

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マスメディアを通じたパブリシティ戦略。
あなたの会社に今、ニュースになる新しいネタがあって、それを適切なタイミングで適切なマスメディアに届けることが出来さえすれば、高い確率で取材され、新聞記事やテレビニュースとして取り上げてもらうことが可能です。

ただし、その大前提として、パブリシティの目的を明確に決めておかなくてはなりません。会社の経営戦略を立てる上でも、目的の設定が何より重要であることはご承知の通り。「何のためにパブリシティに取り組むのか」。目的を間違うと、会社の経営方針やビジョンと、社会から見られるイメージがちぐはぐになってしまう可能性があるからです。

パブリシティの目的といえば、「知名度の向上」と考える経営者が多いことと思います。会社の力量を図る指標があるとすれば、「知名度」もそのひとつに上げられるでしょう。顧客に知ってもらわなくては買ってもらえないのは当然なので、どの企業も「知名度」を高めるために懸命に努力されています。
ただ、ブランディングの面から考えると、「知名度の向上」と、さらに重要な「ブランド価値の向上」は必ずしも一致しません。
知名度がプラスのイメージ(信頼感)を伴えば、ブランド価値は向上し、マイナスのイメージ(不信感)を伴えば会社の衰退を加速させます。「目立つ」のは良いことですが「悪目立ち」すると「悪名高い会社」「ブラック企業」などの風評が先行する場合もあります。知名度を上げると言っても、やみくもに社名を露出するのではなく、「どうやってプラスのイメージで社会に認知してもらうか」というブランド戦略に沿って考え、パブリシティを進めていかなければならないのです。
また、パブリシティの目的を「見込み客を増やし、売上をアップさせること」と考える企業もたくさんあります。見込み客の確保や売り上げアップは企業の存続を左右する大事な要素ですから、そこに力を注ぐのは当然のことです。ただ、実のところ、中小企業やベンチャー企業が「目先の売上を上げる手段として、プレスリリースを販促チラシの代わりにメディアにバラまいて失敗している例もたくさん見られます。
実は、企業からの「売り込み」は記者たちが最も嫌うものです。売り込み臭の強い、販促チラシ的なプレスリリースは即刻ゴミ箱に直行です。目的を取り違えていたら、いつまでたってもメディアで取り上げてくれることはありません。

企業におけるパブリシティの目的を定めるならば、「知名度の向上よりあちら側」にあって「売り上げや利益の向上よりも手前」に位置づけられる「ブランド価値の向上」とするのがいちばんふさわしいと考えます。「ブランド価値」は、言い換えれば「世間の評判」ともいえるでしょう。「売り上げは、後からついてくる」。それを信じて取り組んでください。

Written by 妹尾浩二

10月 14th, 2018 at 3:41 pm

大都会の高校球児はなぜ地方へ野球留学するのか

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企業の広報PRにおいて、本社所在地は東京のほうが有利だと信じている人がいます。

首都圏でニュース番組や新聞で紹介されれば、一気に何百万人に情報が届き、認知度を上げられると思うからでしょう。証券取引所や中央官庁の記者クラブや主要マスメディアの拠点はほとんど東京なので、上場企業・大企業の場合は東京に本社や広報機能があったほうが効率的であるに違いありません。

逆に地方では、企業の話題がローカルの放送局や地方紙で紹介されても、全国まで波及させることは難しい、そう考えている人は大勢います。

ところが実は反対に、中小企業は地方のほうが断然、全国紙に取り上げられやすい。つまり、地方で情報発信するほうが全国ブランドに近づく早道ともいえるのです。

大都市圏の高校球児が、地方に野球留学して甲子園を目指すことは普通に行われていますね。

東京や大阪の強豪校だと、部員が多く熾烈なポジション争いがあります。レギュラーになれたとしても都大会、府大会の参加校が多いので、予選を勝ち抜いて甲子園出場を果たすことは至難の業です。一方、山陰や東北、四国など人口の少ない地域では、参加校も比較的少なく、5試合勝てば甲子園に行ける県もあるほど。地方の強豪校でレギュラーになる方がより甲子園に近いのです。
甲子園に出場できれば大都市圏の代表も地方の代表も同じステージで戦えます。そこで活躍すればスカウトの目に留まりプロ野球選手になる夢がかなうかも知れません。だからこそ、親元を離れてわざわざ地方へ野球留学する球児が後を絶たないんですね。

中小企業のPRに話を戻します。
東京都内には約50万社、大阪府内には32万社の中小企業があります。当社がある香川など人口が百万人前後の県には、およそ3万から4万社。10倍を超える開きがあるのです。一方で、全国紙の都道府県面、地域経済面の記事スペースはほぼ同じ。夕刊の有無などの条件は違いますが、地方は記事スペースを獲得するための競争率が圧倒的に低いのです。

たとえば日本経済新聞。地域経済面は全国で20前後のブロックに分かれており、首都圏各県、大阪府は毎日1ページずつ。その他は人口規模や県の面積の広さによって1県から5県程度で毎日1ページを記事で埋めています。四国は4県合わせて1ページですが、そもそも企業の数が少ないので記者たちは日々の取材先に頭を悩ませています。タイムリーに良い情報が提供できれば、たとえ小さな会社でも取材される可能性は高いです。

日本経済新聞の地域経済面の記事は、同様の内容で日経MJ、日経産業新聞にも転載される可能性があります。ときには本紙全国版で扱われることも。さらに、全国紙の記事はWeb版にも掲載されるし、Yahoo! ニュースなどのサイトにも反映されます。紙面ではその地方でしか読まれなくても、ネットで検索されればいつでも、全国どこからでも読んでもらえるのです。ネット上では首都圏版も地方版もありません。

首都圏の中小企業は関東ローカルのテレビ番組に登場することさえ非常に難しいですが、地方ならハードルはぐっと下がります。

たとえば当社のあるエリアは、NHKのほかに、地上波の民放テレビが5局すべてそろっています(これは香川・岡山の電波が相互乗り入れしているためで、地方では異例の多さなのですが)。地元の放送局が多いということは、PRできる枠がそれだけたくさん用意されているということ。ローカル局に取材されて、面白いネタであればキー局の情報番組やニュース番組に流してもらえる場合があります。

NHKにも各地のローカルニュース枠があり、地方に行くほど経済関連の情報は不足しているので、取り上げられる可能性は高いし、タイミングによっては「おはよう日本」や「ゆうどきネットワーク」などで全国放送されることもあります。

香川県にある当社クライアント企業H社は、小さなこんにゃくメーカー。2011年夏に全国を揺るがす食中毒事件での牛肉ユッケなどの禁止に絡んで「生レバーそっくりのこんにゃく」を発売した際、ローカル局や地方紙で紹介されたことをきっかけに、東京など全国からメディアが押し寄せ、情報番組、報道番組内で数十回も取り上げられました。
その結果年間ヒット商品の上位にランクインしたほか、クイズ番組やNHK大みそかの特番のネタになったりして大ブレイク。全国ブランドへの足場を固めることができたのです。

東京や大阪の中小企業がPRしようとすれば、まずは載りやすい業界紙や専門紙、インターネットのニュースサイトから一歩ずつ、というのがセオリーですが、地方ではいきなり全国紙やNHKに登場することも可能です。
地方であろうと東京であろうと日経は日経、朝日は朝日、NHKはNHK。一流のメディアに取り上げられたという実績は信頼度アップにつながり、その後の事業に好影響を与えます。

地方に本社を置いて、全国的に事業を展開していく中小企業は、PRにおいて最も効率的にマスメディアを活用できる環境にいるといえるのです。
地方の高校のほうが甲子園への近道。同じように、PRもブランディングも東京より地方のほうが有利な面があることをご理解いただけたでしょうか?

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Written by 妹尾浩二

10月 7th, 2018 at 11:12 pm

PRは胡散臭さの消臭効果がバツグン

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先日、新聞(経済紙)記者の方との酒の席で「なぜ中小企業のリリースが取り上げられにくいか」が話題に上りました。
前提としては、彼らは「中小でも将来性があって面白い企業だと判断したら積極的に取り上げたい」のです。
なぜなら「読者は大企業にだけ関心があるわけではないし、つまんない自治体がらみの記事よりはベンチャーの話題のほうが断然面白いから」とのこと。
では中小企業の記事が載りにくい原因は?
記者さんいわく、第一に「そもそも、中小企業はリリースを送って来ない」。中小企業はみんな遠慮し過ぎです。情報発信がなければ記事を書きようがないですからね。
第二に「ニュースにならないネタを持ってくる」。ネタの内容もさることながら、タイミングを考えていない会社が多すぎると。何ヶ月も前から売っているものを「新製品」として持って来られてもニュースにできない。発売前に持ってきてほしい。
そして第三に「ちゃんとした会社かどうかわからない」。マスコミは公器として、社会に役立つ情報を発信する義務があります。その会社・商品が社会に不利益をもたらすもの
だったら、掲載したマスコミ側の責任が問われるのです。
詐欺まがいの商品や、使用することで健康に悪影響を及ぼす商品などを記事の中で推奨することがあってはなりません。
また「記事で取り上げた会社が一ヵ月後に不渡りを出して倒産した」なんてことになったら、その記事がきっかけで取引が始まった企業などに迷惑が掛かることにもなります。
だから、ユニークな会社、特徴のある新商品であれば必ずニュースになるというわけではなくて、その会社に経営的な不安がなく、商品やサービスが社会に役立つものだという裏付けも必要です。
得体の知れない「胡散臭い会社」を紙面で掲載することは怖くてできないというわけです。
小さい会社は小さいなりに等身大の自社の姿を見せたうえで、マスコミ(記者)から信用されなくては始まりません。
そういう意味では、きちんとCSR(企業の社会的責任)を果たしていて、自社について明解に情報発信している会社、企業の顔が見えている会社はマスコミも安心して取り上げやすいんですね。
普段から商品のプロモーション活動と並行して、CSR的な活動も積極的に行い、プレスリリースによってメディアに取り上げられる回数を増やすことは、「胡散臭い会社」という懸念を払しょくするのに大いに役立つわけです。

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Written by 妹尾浩二

10月 5th, 2018 at 11:05 pm

継続は力なり

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大企業の子会社など最初からある程度の信用と規模を持ってスタートした企業は別ですが、中小企業にいきなり「ブランド」は持てません。
地道に営業活動を続け、小さな信用を積み重ねてお客様を増やし、限定された地域や業界の中で「知る人ぞ知る」存在になるのが、中小企業のブランド化の本筋です。
そうした地道なブランド化の強い味方になってくれるのが、新聞やテレビなどのマスコミと、Webサイト、SNSなどインターネットを活用した情報発信です。
それまでプレスリリースを出したことのない会社が、新規事業に関連したプレスリリースなどの情報発信を積極的に始めて数ヶ月経つと、新聞やテレビにポツポツと取り上げられるようになります。

「最近よくニュースで見かけるね」「おたくの会社、元気ですね」「いい事業をされていますね」と取引先や友人などから褒められることが増えていきます。新しい取引のオファーが増えて、事業の幅が広がり、従業員の方々のモチベーションが上がります。
最初の1~2年は、ネタのストックがたくさんありますから新しい取り組みも積極的に打ち出すことができ、プレスリリースを発信すればするだけニュースとして取り上げられる機会が増え、社長も社員の方も広報の効果が実感できます。

これを一つの契機として事業をどんどん拡大し、新しいことに挑戦してメディアの常連になる企業がある一方で、数年経つと事業自体がマンネリ化して「ネタ切れ」を起こしてしまう企業も多いんですね。
新規の取り組みが少なくなり、プレスリリースの中身が以前の商品・サービスのリニューアルや定例イベントのお知らせだけになってくる。
自社のWebサイトも情報の更新が滞る。すると、プレスリリースを出しても以前ほど取り上げられない。社長も担当者も次第に広報PRへの熱が冷めてきて、いつの間にか情報発信の頻度が減り、話題にのぼらなくなり、事業も頭打ちに・・・。そんなスランプ状態に陥るケースを実際によく見てきました。

個人で言えば、日記でもランニングでも、最初のうちはやる気があふれているからずっと続ける気でいますが、そのうちに3日おきになり、一週間おきになり、やがて途中やめになってしまう人がなんと多いことか。

プレスリリースの発信でも5年、10年と続けていくのは簡単ではありません。プレスリリースを発信してもメディアの取材が一件も来ないことが何回か続くと、心が折れて、新しいネタを発掘したりひねり出したりする情熱が薄らいでしまうものです。
でも、あなたのリリースは必ずメディアの記者の目には届いています。
たまたま記者のタイミングが合わなかったり、掲載する紙面が空いていなかったり、時期尚早だったりして、ニュース価値はあっても取材対象にならなかったのかも知れません。「あとひとひねり足りなかった」「用語が記者に理解されにくかった」だけなのかも知れません。
決してあきらめずに、社内からネタを発掘し続け、ネタの切り口を探し続け、記者のココロに届くリリースの書き方・出し方を追究し続け、そして適切なメディアに正しくアプローチし続けてください。

プレスリリースを書いて記者にアプローチし、記事やニュースとして取り上げていただくことに、お金はほとんどかかりません。その努力が実って、タイムリーにメディアで紹介されたら、その信用力や伝播力は、高い費用を出した広告をはるかに上回る効果があることも多いのです。

自社の事業の社会性や将来性を信じて、自信を持って前向きな情報を発信し続けてください。
壮大な夢を追ったり、困難なことをやり遂げたりするには、決して途中であきらめないこと。投げ出さないこと、そして挑戦し続けることが何より肝心。「継続は力なり」です。

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Written by 妹尾浩二

10月 3rd, 2018 at 11:03 pm

PRの功罪~テレビで取り上げられたのに

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企業やお店が、テレビのニュース番組や情報番組に取り上げられると、認知度や一時的な集客のアップだけでなく、長期的には企業の信頼性やブランド価値の向上にもつながります。

例えば飲食店なら、グルメを交えた情報バラエティ番組、温泉旅館やレジャー施設なら、旅番組に取材してもらいたいところです。メーカーなら、自社の新製品を「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)の“トレンドたまご”コーナーで採用されると一気にブレークすることがあります。

地方のローカル局にも自社制作の情報番組がそれぞれあります。また、NHKを含め、ニュース番組の中には地域の企業や商品の話題を取り上げるコーナーもありますし、企業のトップにインタビューする番組も、たくさんの方々がご覧になっています。

しかし、そうした番組に希望通りに取り上げてもらおうとすれば、周到な準備と根回しが必要です。

全国ネットの番組ともなればそのハードルは非常に高く、相当な競争の中を勝ち残れるだけのニュース性・話題性と、ちょうどその番組の企画趣旨にぴったりはまるという偶然がなければ無理です。

テレビに広告を出稿して、広告主の立場を使って番組に出演できるように圧力をかければいいのでは、という考え方もあります。でもテレビというメディアでは、広告主を番組内に露骨に出演させられないという縛りがあるので、残念ながらそれは困難です。どうしても、というなら、テレビ通販番組のように、時間枠を丸ごと買い上げて自社だけの番組を作るしかありません。

各局が制作している情報番組、ニュース番組に「公益的な情報」として取り上げられるためには、企業としてはどうしてもPR戦略が必要になってくるのです。

単純な従来型の「広告」から、より複雑で専門的なノウハウが必要な「パブリシティ」へと、マーケティング・コミュニケーションの重心が移りつつあります。

しかし、パブリシティでメディアに紹介されても、その前後の対応がまずければ売上アップやブランドづくりにつなげることはできません。

たとえば、全国ネットの情報番組では、「話題のお店」として芸能人のグルメレポーターが紹介した瞬間から、店の電話が鳴り始めます。店は一気に大忙しで嬉しい悲鳴。でも悲鳴を上げてばかりでは始まりません。

「来てもらったお客様、注文してくれたお客様をどれだけ満足させられるか」が勝負です。番組を見て殺到する客層というのは、反応が早いだけに飽きっぽいお客さんです。別な番組で美味しそうな店を見つけたらすぐにそちらに流れます。

よくある例ですが、たとえば静かでしゃれたカフェがテレビで紹介された。たちまち店には行列が・・・。商売繁盛で結構なことですが、今までの落ち着いた雰囲気が気に入っていた常連客は困惑し、だんだんと足が遠のいてしまう。そして、飽きっぽい新規客の波が引いていくと、店にはやがて閑古鳥が鳴き始める・・・。

こういう反応を予想して、あらかじめ計算しておくことです。

番組の放送日時がわかっているのだから、新規客の増加や注文の増加を見越して販売数を増やす準備をするのか、入店や受注を制限して限定感、希少感を出すのか、スタッフと相談して決めておかなくては、いきなりパニックに陥ってしまいます。また、逆にテレビの反応を期待しすぎて材料を大量に仕込んだりすると、あてが外れることも往々にしてあります(ローカル番組の場合は爆発的に客が増えるというケースは少ないようです)。

テレビへの露出を契機に新しいファンを増やして業容を拡大するのか、それとも3日だけ繁盛して元の木阿弥になるのか。この対応にセオリーはありませんが、いずれにせよ単発で終わるのはもったいない話です。

PRは継続しなければ意味がありません。

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Written by 妹尾浩二

10月 1st, 2018 at 10:57 pm

「おいしい」「安心安全」は危険な言葉

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香川県内の農業者の方々の会でPRについて講演した日のお話です。
自分たちの作った農作物をJAを介さずに直売したり、オリジナルの加工品を作って六次産業化を目指したりと、積極的に挑戦されている方々の集まりは、非常に活気にあふれていました。
その席で、何人かの方に質問をしてみました。

私「あなたの作られている作物のPRポイントはなんですか?」
すると、帰ってきた答えは

Aさん「うちの○○は、新鮮です」
Bさん「うちの△△は、とにかくおいしいです」
Cさん「安心安全にこだわって作っています」
Dさん「食べてもらえればわかります」

「新鮮」「おいしい」「安心安全」「食べればわかる」・・・残念ながら少しも、心に響いてきません。
考えてもみてください。今どき、日本国内産で、店頭で売られていて「新鮮でない」「おいしくない」「食べると危険」な野菜や果物ってありますか?あったらニュースになるほどですね。
ということは、日本中どこの畑で採れたものでも同じことが言えるわけで、「おいしい」「新鮮」「安心安全」などという抽象的な言葉は、当たり前すぎて何の差別化ポイントにもならないんです。
テレビの食レポートでは、できるだけコメントに「おいしい」を使わないことになっています。でも下手なレポーターは「おいしい」を連発してしまう。

「おいしい」は、それを使ったとたんにオリジナルな思考回路を停止させてしまう危ない言葉なのです。
「食べればわかる」ものは、食べてもらうまでわからないんです。見た目の美しさや五味(甘み、渋み、辛味、酸味、塩味)や色彩、歯ざわり、舌触り、のど越し、香り、風味、栄養価、作った人の技術や愛情、ストーリーなどについて、思考をフル回転させて言葉をひねり出していかなければ、食べ物としての付加価値は伝わらない。一度も食べてもらえないんです。
「おいしい」は自慢するものではなくて「必要条件」。「新鮮」「安心安全」は、胸を張って言うほどのことではなくて「最低条件」です。
もっと際立った特徴を具体的に表現しなくてはブランド化できません。

たとえば「新鮮さ」をアピールしたいなら、「朝4時から収穫して6時には店頭に並べ、午前中に売れなかったものは引上げます」と言えば、際立った新鮮さが想起できるはず。
「おいしさ」に自信があるなら「いちごより甘い、糖度15度」など、客観的においしさの指標を示したり、「○○コンテストで金賞を受賞」という実績なんかがあれば、それだけでおいしいと認められる。
「安心安全」なら、「親の代から40年間、農薬や化学肥料不使用の畑で作りました」と言って初めて、並ではない安心さ、安全さがイメージできる。
食べ物を扱う方々には「おいしい」「安心安全」「新鮮」を封印して、自分だけのオリジナルな付加価値を表現する言葉を考えていただきたいですね。

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Written by 妹尾浩二

9月 25th, 2018 at 10:50 pm

広報はトップの仕事

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広報・PRは長期的視野に立った経営活動の一環。ですから、トップが先頭になって広報を実践していかなくてはなりません。

特に中小・ベンチャー企業では、社長が「我こそ当社の広報マン」を自認し実践すべきです。つまり、サービスや商品の原点を知る社長こそが前面に立って、自社がどういうビジョンを持ち、どんなことをしようとしているのかを、自ら社内外に情報発信することが大切なのです。

メディアは常に責任ある発言を求めてトップの登場を期待しています。自ら進んでビジョンや理念を語り、自社と商品・サービスのストーリーを一人でもおおくの人に知ってもらおうと努力する社長がいる会社は、「社会に対して開かれた会社」「顔の見える会社」という印象を与えるのです。

ユニクロといえば柳井正社長、日産自動車といえばカルロス・ゴーン社長、ソフトバンクといえば孫正義社長、ZOZOといえば前澤友作社長・・・・。大企業でもトップ広報が大きくモノを言うのですから、中小・ベンチャー企業の場合はなおさらです。

従業員が数十人しかいない中小企業で、社長が忙しいと言って、役員でもない担当者に広報を一任してしまっている会社は、その重要性をわかっていないと言わざるを得ません。

中小企業の社長は最高広報責任者。自ら率先して動き、自らメディアに働きかけ、自ら企業理念や商品のストーリーをメッセージとして積極的に語ることが必要なのです。

とはいえ中には、ものづくりや数字の管理は得意だけれど、人前で話すことや文章を書くことが苦手だったり、カメラで撮られるのが極端に嫌いな社長もいます。でも苦手、嫌いだからといってこれらを避けていると、社会に対して企業のメッセージがいつまでたっても伝わっていきません。

社長がスポークスマンとしてメディアに対してきちんとメッセージを伝えていくためには、日ごろから自分の考えを明確に話すトレーニングをすることがとても大切になります。

ポイントは、メディアの取材を想定して、聞かれそうな質問を用意しておき、それに対する考えをコンパクトにまとめて言えるようにすること。社長が自社を広報するために、あらかじめデザインされたキーメッセージを、どのような方法で、どのようなタイミングでアピールしたいかを考え、練習を積んでおくのです。

突出した技術や商品を持っていて、なおかつ社長が情報発信を積極的に行うことができれば、メディアがその企業を放っておきません。ことあるごとに取材要請が来るようになります。そうした実績をひとつずつ積み上げていくと、ことさら広告宣伝にお金を使わなくても社会からの認知度を上げ、会社のブランド力を向上させていくことができるのです。

「世界一小さな歯車」を作った樹研工業(愛知県)の松浦元男社長、「痛くない注射針」の岡野工業(東京都)の岡野雅行社長、「ユートピア経営」で有名な未来工業(岐阜県)の山田昭男社長、「中小企業経営者のカリスマ」といわれる武蔵野(東京都)の小山昇社長・・・・。全国的に話題になり知名度の高い中小企業は、ほぼ例外なく社長(あるいは創業者など)が強烈な個性を持ち、ユニークな経営理念と他社にまねのできない商品・サービスを提供しています。

そして抜群の広報センスで、自社の事業内容や経営理論についてマスコミ、WEB、書籍など様々なメディアを通じて積極的に語る。そうした活動が全国ネットの「カンブリア宮殿」や「ガイアの夜明け」などのテレビ番組で取り上げられるようになれば、ちょっとした大企業よりも上を行く知名度とブランド力が手に入ります。

社長自身の情報発信によって会社のブランド価値を上げ、顧客や取引先を増やし、利益を生み出すことができる。トップ広報が機能すれば余計な広告費・販促費は不要です。中小企業の経営においてこれほど効率的な取り組みはありません。

広報は「やったもの勝ち」。自分が表に立つことに及び腰の社長は、意識の変革がすぐに必要です。

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Written by 妹尾浩二

9月 22nd, 2018 at 11:09 pm

クイック・レスポンス

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今日、私どものクライアント企業がテレビの取材を受けました。地場の主力産業と地域の伝統工芸がコラボした新商品の開発について、先日プレスリリースを配信した案件の取材です。

午前10時から、製品と製造現場の様子の撮影、さらに企画担当社員とコラボ先の工芸職人さんのインタビューまで1時間弱で取材を終えて、タクシーで片道約30分の局まで取って返し、大急ぎで編集して、お昼12時15分からのローカルニュースで放映するといいます。

放送されたニュースを見ると、2分程度にきっちりとまとめられ、映像もインタビューもわかりやすく編集してあり、いつもながら、さすがにプロの仕事だなあと感服しました。

テレビだけでなく新聞記者も、夕刊や朝刊の締め切りに最新の原稿を間に合わせるため、時間との勝負をしています。メディアの人々はこのように、一刻を争う世界で生きているのです。

広報担当者が記者対応で心がけるべきことはいくつもありますが、「クイック・レスポンス」もそのひとつ。彼らは正しい情報を視聴者・読者に伝えていくために、限られた時間の中で質問や念押しを矢継ぎ早にしてきます。記者からの問い合わせに広報担当者が「社長が出張中でお答えできません」「担当者の携帯につながりません」などとぐずぐずしていると、報道されるチャンスをみすみす逃してしまい、その機会損失ははかり知れません。

記者の向こうに何十万、何百万人というお客様がいることを肝に銘じておけば、問い合わせやリクエストに即座に対応しないわけにはいかなくなるでしょう。広報はスピードが命、質問へのクイック・レスポンスを心がけましょう。

Written by 妹尾浩二

9月 18th, 2018 at 2:59 pm

”紐づける”力

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「紐づける」という言葉を最近よく聞くようになりました。特にIT関連業界で、特定のデータと他のデータを相互に関連付ける、という意味でよく用いられています。

企業のPRでは、自社の取り組みと社会の話題を「紐づける」意識が、ニュースづくりに大いに役立ちます。

たとえば、10月17日の朝日新聞のコラムにこんな記事が掲載されていました。

阪神百貨店で海産物や鮮魚を特売する『かいさん そうせんぎょセール』が始まり、生鮮バイヤーが扮した「おさかな党党首」が、「公約は3本の骨。鮮度、おいしさ、お買い得です」という「鮮魚演説」を行ったというものです。

「解散」「選挙」と「海産」「鮮魚」の語呂合わせがぴったりはまって見事なパロディとなっていますね。今回で5度目の催しということですが、大きな選挙があるたびにプレスリリースすることによってメディアに取り上げられ、お客さんにもお馴染みになっているようです。

こんなダジャレは誰でも考え付きそうなことですが、どこよりも先に手を上げた者がニュースに登場し、あとから気が付いても二番煎じとなってその効果はぐっと落ちてしまいます。自社の取り組みや新しい情報と社会の動き・話題を「紐づける」意識があるかないかで、その瞬発力に差が出てきます。

広報担当者には、社内と社会の情報をパズルのように組み合わせ、関連付けてニュースを作る「紐づけセンス」が必要なんですね。

http://www.asahi.com/articles/photo/AS20171016003249.html

 

Written by 妹尾浩二

9月 5th, 2018 at 3:45 pm