PRプランナー 妹尾浩二の日記

日々の活動記録

Archive for 6月, 2013

おめでとう、DJポリス

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サッカー日本代表がワールドカップ出場を決めた夜、東京・渋谷のスクランブル交差点で雑踏警備に当たったお巡りさんに、警視総監賞が贈られました。

「サポーターの皆さんは12番目の選手です。フェアプレーをお願いします」

「怖い顔をしたお巡りさんも、心の中では皆さんと同じくワールドカップ出場を喜んでいるんです」

などと軽妙なアナウンスで、興奮して騒ごうとするサポーターたちを整然と移動させ、けが人や逮捕者を一人も出さなかった、その様子は翌日からテレビのワイドショーなどで盛んに取り上げられ、PKを決めた本田に次ぐぐらいのヒーロー扱いでしたね。

誰が言い出したのか「DJポリス」。私は「MCポリス」というほうがしっくりくるような気がするのですが、それはいいとして・・・

彼は20歳代の機動隊員で「広報係」ということですが、機動隊でいう「広報」は、我々が馴染んでいるマスコミを使ったPRとは意味が違って、初もうでやイベントなど多くの人が集まる場所で事故が起きないよう誘導するアナウンスの係のことらしいですね。

彼は、この任務が決まった時、興奮する若者たちに自分たちの呼びかけがどうやれば伝わって、納得してもらって、安全に移動してもらえるかを考え抜いて、あのアナウンス原稿を作ったといいます。「サポーターは12番目の選手」「日本代表はフェアプレーで有名」「ルール違反にはイエローカード」などという表現は、考えてみればありがちな常套句であり、もし本人がコアなサッカーファンだったら、恥ずかしくて選ばない言葉だったのかも知れません。

もし熱心なサッカーファンなら、もっと選手の個人名や「そこ、オフサイド!」とか「ファーサイドのあなた、ラインを割ってます!」「危険なチャージはファウルですよ!」といった用語をアドリブでポンポンと繰り出すところですが、そこは野球好きで巨人ファンという彼のボキャブラリーに入っていなかったのか、あるいは、あまりマニアックな言葉を使いすぎても伝わらないと思ったのか・・・。

いずれにせよ、警察が伝えるべきことは「安全に、人に迷惑をかけずに、信号を守って横断歩道を渡れ」ということだけです。でもこれをそのままアナウンスしたって、興奮した若者たちはそれに従おうとはしないでしょう。「群衆」対「警察」という対立の構図の中では、共感は生まれてこないのです。その点、DJポリスの彼が目指したのは「お巡りさん」と「サポーター」がともに日本代表のワールドカップ出場を祝うという一体感。心のつながりをはじめに作っておいて、自分たちの伝えたいことを、柔らかい言葉で呼びかけていったことで、若者たちが聞く耳を持って、呼びかけに応じてくれたわけですね。あの「おまわりさん!おまわりさん!」コールのシーンはなんだか微笑ましかったです。

この一件、我々企業広報に携わる者にとってもいろんな教訓を与えてくれました。聞く耳持たぬ大勢の人たちにいかに聞いてもらい、共感してもらい、自分たちの求めに応じてもらえるか。そのためには相手の心理状態や興味についてよく理解し、相手の心にいちばん深く刺さる言葉を選んで、伝えなくてはならない。知らせるだけの広報ではなく、「伝える」「伝わる」「つながる」「動かす」広報でなくては意味がないんですね。もっともっと、深く考えなくては。

来年、ワールドカップの試合がある日に、もういちど渋谷の交差点でDJポリスのアナウンスを聞いてみたいものです。

Written by COZYSENOO

6月 15th, 2013 at 1:21 pm

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放送作家とPR

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「AKB48」、「海賊と呼ばれた男」、「くまモン」。これらの共通点は何でしょう?

「各分野で今一番人気がある」

惜しい!

それぞれの「生みの親」は秋元康さん、百田尚樹さん、小山薫堂さんです。つまり正解は、「生みの親がみんな、放送作家だった」ということ。

秋元康さんは「オールナイトフジ」「夕やけニャンニャン」の放送作家からタレントプロデュースや作詞家へ、百田さんは「探偵ナイトスクープ」から作家へ、小山さんは「料理の鉄人」から地域おこしの仕掛け人へと、大ヒットの情報バラエティ番組の企画・構成をしてこられた方々が、ほかの分野に進出して才能を発揮されているわけですね。

なぜ、放送作家の方々がこうやって各界で話題を集め活躍されるのか。それは、放送作家の方々が、「何をどうやればメディアを通じて社会からウケるか」を知り尽くしているからだと思います。

私も含めて、世の中には「企画」を職業にしている人はたくさんいますが、放送作家ほど毎日シビアにウケを狙ってアイデアを出し続けている人たちはいないんではないでしょうか?放送作家は番組の企画会議で、一つのキーワードに対して10個くらいのアイデアはポンポンと出てこないといけないとか、1日にギャグを100個考えるのが業界の掟だとか言われています。

こうして若いうちから企画脳を鍛え上げられ、庶民の感情のツボを知り尽くした人たち、もちろん、作家なのでアイデアを企画書や文章にすることもお手のもの。メディアにコネも強いから、メディアへの露出の仕方もわかっている。当人そのものが強力なメディアとなってさらに話題を広げていくことができる。

そんな人たちが、企業や自治体のPRに力を貸してくれると、当事者には思いもよらぬところに火がついてワッと燃え広がる(決して炎上ではない)可能性が高まるに違いありません。

身近に、有能でフットワークの軽い放送作家さんがいたらツバ付けておいたほうがいいですよ。

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Written by COZYSENOO

6月 4th, 2013 at 9:49 am

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